同期しますか?
日本のある島に野生の猿が群生していました。ある日、その中の一頭が食べ物を川でじゃぶじゃぶ洗って食べたのです。それはあっという間に群れ中に広まりみんなで川沿いに並んで食べ物をじゃぶじゃぶ…
ちょうど同じ頃、距離的に間違いなく交流がないはずの離れた別の島でも猿の群れが食べ物を川で洗って食べ始めたのです。
じゃぶじゃぶ…
猿の生態を調べていた研究者たちは驚きました。
こういうの…なんでしたっけ?
「シンクロニシティ」
時代的な偶然の同期?
「パラサイト 半地下の家族」
敬愛するポン・ジュノ監督の最新作は驚くべき映画でした。前半は筒井康隆的な不条理ギャグからホラー、ディザスター、アクション、あっと驚くエロまであらゆるジャンルを軽々と飛び越え、まったく予測不可能な展開の中「格差社会」という大きなテーマが浮かび上がります。
おいおい、まさか是枝監督の「万引き家族」に触発された訳じゃないだろうな?似ている…と思いました。
ポン・ジュノ監督はインタビューでこの映画を作ってる最中に「万引き家族」を観てその類似点に驚いたと話してました。
考えてみると「天気の子」も格差社会と大雨と半地下まで出てきました!
こないだのジョーダン・ピールの「アス」も家族乗っ取りの話…地下も出てきたね…
今上映中の「家族を想うとき」も!
監督のケン・ローチは前に「私は、ダニエル・ブレイク」も「格差社会」と「家族」をテーマにした映画だった!
おれたちも随分前からウシジマくんなんかで格差や家族がヤバくなってきているのをひしひしと感じてたじゃないか…
この世界中の映画で起こっているシンクロニシティ…
あの島の猿たちの頭の中をまるでテレパシーみたいに走ったじゃぶじゃぶが人間にも起こってる…
貧困の恐怖と家族の崩壊…
ヤバイよヤバいよ…
それが世界中の映画人に同じような映画を作らせて、それを観る我々もそれに同期しているのではないか?
この「パラサイト 半地下の家族」がびっくりするくらい面白くて他人事と感じないのはそのせいじゃないのかな?
あなたは同期しますか?
じゃぶじゃぶ…