しゃおりん

パラサイト 半地下の家族のしゃおりんのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

良く言ってパラサイト、悪く言って奴隷

パラサイトには寄生するっていう意志があるけれど、奴隷はされるものだから。そこには人間の尊厳という大きな違いがあるから。

ガーデンパーティでの事件は、金持ちに従事するのが当たり前で、死んだホームレスをゴミのように扱う様子を見て、自分たちが馬鹿な金持ちを利用している立場ではなくて、奴隷としか扱われていない事実が表面化した瞬間だと思う。
「してる」が「されている」だったときの悔しさ、恥ずかしさほどたまらないものは無いと思う…。

貧乏人と金持ちの格差を半地下と丘の上の家という構図で立体的に描いたのも面白いと思ったけど、しきりと英語を使いたがったり、インディアンの真似事をさせたがったり、アメリカ留学経験ありの文言に弱過ぎたり、金持ちも西洋文化の奴隷だったのが面白かった。気付いてないだけで人間皆何かの奴隷なのかもな…。

金持ちの家で食料を食い荒らして高笑いしてた数時間後にはゴキブリのようにコソコソ住処に逃げ帰って、逆流する汚水の中で家の中の唯一の高台であるトイレに避難して煙草吸う時の気持ちって一体。軽く想像を絶する。

ここまで書いたことを読み返して、もっともっと何かもっと書き足りないと思う。けれど、格差を認識することはとても辛い作業だから一旦ちょっと休む。