【1回目鑑賞の感想】
前半パートはとんでもないテンポで、映画に吸い込まれていった。他の人が指摘されているように「タランティーノっぽいなあ」と思ったほど。物語に引き込む力、半端ない。
俳優も良い。前田吟に似ているキム役の役者以外は、女性陣が特に魅力的(可愛いのも、美人なのも、おばさんも)。
前評判通り、これは傑作だと途中まで確信していたのだが、中盤から終盤に向かってのところは理不尽さと蛇足も多く、前半パートが恐ろしく素晴らしかっただけに、どんどん冷めていく自分がいた。
前半パートだけで評価されるなら、とんでもない傑作。5をつけても良いと思ったものの、後半、ファンタジーだとはわかっていつつも、文化や道徳観の決定的な違いで話にのめり込めない自分がいたのだ。
中盤までは非常に楽しめたのだが、後半からラストまでは楽しめなかった。シリアスに過ぎるということでもなく、主人公たちの気持ちに感情移入できなかった。
喜怒哀楽のポイントが(私とは)ずれていて、理解できないのだ。
いまこの人は悲しいんだろうな、怒っているんだろうな、恐怖を感じているんだろうなということではなく、ただただ、この主人公たちの感情がわからない。無機質なものに思えてしまった。
それは一緒に鑑賞した妻も同意見だった(帰宅最中の車の中で感想を言い合った)。
みんなあまり指摘しないが、なぜ『万引き家族』などは引き合いに出ないのだろうか。なんか禁じられていたりするのかな。
明らかにプロットは似通っているし、アイディアを拝借したようなところもあるように思えるのだが。
”道徳観の決定的な違い”が、私がこの映画に5を付けない理由。
少なくとも、『万引き家族』の方が私は良かったな。
ただし、1回鑑賞しただけなので。どこかのタイミングで映画館でもう1回鑑賞したいなと思う。
あと、円盤は買います。買って価値のあるコンテンツだと思う。