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パラサイト 半地下の家族のりのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ぐちゃぐちゃだけどメモ代わりに。

忘れられない映画になった、この映画に出会えて良かった

何が心に残ったかって、格差って、絶対に覆らない壁があるから格差なんだって、今までどこかで自分も感じたことのあるあの屈辱的な感覚を色んなシーンで見事に描き出していて、何とも言えない気持ちになった

印象に残ったシーンは挙げればキリがないけれど
やっぱり、夜リビングの机の下で隠れる半地下の家族と、ソファーでいちゃつく夫婦のあのシーン、もうその状況が耐えられないほど悲しくて、追い討ちをかけるようにお父さんの「匂い」について語るところ、辛かった。

それから、最後の庭でインディアンサプライズの打ち合わせをするキムさんと社長。
キムさんが絶対に社長と目を合わせない、心ここにあらずなのがリアルで、これから起こることを予感させてるようだった。匂いを指摘されてから、どんどん「度を越して」しまい、もう沸点ギリギリの感じ。最後、あの事件が起きた時、鼻をつまむ仕草でその限界を超えてしまったんだろうな、だから刺してしまったんだろうな

あの事件のシーンも、一人一人どうして刺してしまったんだろうと考えると面白い。

半地下の家族と地下の夫婦、恨む対象とその変化も面白い。
地下の夫婦に関しては地下の生活の中に幸せを見出して受容してたのが、幸せなはずなのに切なかった。

あの岩は何の象徴だったんだろうか、
へばりついて離れない
きっと半地下の匂いと同類のこびりつく何かだったんだろうな

シーンの表現の仕方に関して
家政婦のおばちゃんに桃を吹きかけるところとか、急いでジャージャー麺?(違う)を作るところでは、スロー再生になっていたりしてシリアスなはずなのにどこか颯爽としていてコメディ感を感じさせるシーンになっていたり、
最後の庭での事件のシーンは、明るい庭、美しいコーラスと美しい人々、血まみれの男、というシチュエーションが「幸福な富裕層」と「最悪な事件」というコントラストになっていて面白かった。

そして最後の終わり方。あの家を買ってハッピーエンド感出したと思ったらまだ半地下だった。そりゃそうだよね、そんな簡単に都合よくお金持ちになれるわけないもんね。一回上げといて地に叩きつけられた。救いようのない、逆転なんてありえないこれが現実なんだって、、、

この映画は悲劇だと思う。結局地下の人達は誰も幸せになってない。一生這い上がれない絶望。

ずしんと重いけど観て良かった。
り