タキ

あなたの名前を呼べたならのタキのネタバレレビュー・内容・結末

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ラストまでそういえばセリフの中に名前がなかった。上手い。邦題が輝いている。
身分の格差や男女差別によって入る店や就業も結婚も決められてしまうなどの現代インドの問題点は日常生活において可視化されている。歌って踊るインド映画ではわからないこれが現実のインドなのだ。こんなあからさまな差別を見慣れてないのでなかなかの衝撃だった。高級マンションにもメイド専用の部屋が初めからついているし、メイドは外以外の屋内は欧風マンションであろうと裸足だし、食事は床だし、仕立て屋のオヤジには労働搾取されるし、高級ブティックの店員にはソッコー追い出される。まさか口減らしという言葉を現代で聞こうとは思わなかった。早い結婚も口減らしなのだろうし、妹はそこにあまり疑問を持っていないようでこれらの問題の解決への道のりがあまりに遠いことがわかる。妹はホントに学校行かせてもらってるのかな…子どもができたりしたらうやむやされるんじゃないだろうか。
それにしてもデザイナーだという高慢チキな女をアシュヴィンはどう説得したのだろう。メイドを人間扱いしてない様子だったのに急にラトナに仕事をくれたりしてビックリした。ドレスを褒められたぐらいで仲良くなるものだろうか。
ラトナがデザイナーとして成功すればアシュヴィンとの結婚もありうるのか。やはりインドでは難しいのだろうか。監督のインタビューを読むと未亡人の再婚は通常ないとのこと。インド手強すぎる…。

映画『あなたの名前を呼べたなら』
ロヘナ・ゲラ監督インタビュー
身分の違う恋愛を通じて、
インド社会の分断を見つめる
http://imi-shin.com/special/36/

『あなたの名前を呼べたなら』 ロヘナ・ゲラ監督来日インタビュー“正しいことだと信じていて、同調しなければならないと感じていると、どれほど自分が無理しているのかも気づかないのです”
https://www.neol.jp/movie-2/85504/
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