辛くて酷くて、とても涙無くしては観られなかった。
小児虐待の実話ベース作品と言う事もあって『トガニ』の衝撃がふと頭をよぎった。
日に日に生気を失い幼い心が暗黒に落ちて行く描写が凄まじく、なんと言っても子役の演技がそれは素晴らしかった。
介入出来ない｢家族｣と言う壁。4人に3人は実母による虐待と言うから言葉が無い。
今作では義母による虐待がクローズアップされて居るのは未だ理解はし易いものの、実父の無関心と父性欠落によるところの大きさは計り知れなくて、、、
児童相談所の在り方は日本と大きくかけ離れて居ないだろうと安易に想像出来る。
主人公のように正義と勇気を持った(それでも時すでに遅しだけれど)担当者に巡り会えた事にせめてもの救いを感じた。
まさに今、この国の片隅にも身体に痣を蓄えた幼い存在が確実に居るであろう事を想像すると胸が締め付けられる。
社会全体の大きな変化を望まずにはいられない作品だった。
