シガーandシュガー

ディヴァイン・フューリー/使者のシガーandシュガーのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

悪魔祓いモノが好きな身としてはエクソシスト+アクション?んん?と思って鑑賞。普段から疑問に思ってることを実行してくれて、これはこれで満足な作品だった。

良かった点はいくつかあるけれど、一番好きだったのは主人公が総合格闘家で強いという設定を活かし、悪魔憑きをボコることに納得感があったこと。エクソシストは悪魔をマトモに相手にしてはいけないからか、憑依された人を殴るなんてのは見たことがない。が、この主人公は総合格闘家だし血気盛んなので殴る殴る。初めて出会った悪魔憑きの青年を、人外の動きをするのにも驚かず構わずボコるところとか笑っちゃうけどすごくスッキリ。ラストも、怒りにまかせてのぼこりではなくてもはやエクソシストのステップとしての暴力だったので余計によかった。でも悪魔、もうちょっと飛んだり跳ねたり消えたり自由自在感がないと怖くはない。完全にアクションのほうに振り切っちゃったのでそこは残念。もう少しホラー色もあってもよかった。
ちなみに女子も殴っちゃったらもっとよかった(プロだから女子供を殴らないことが身にしみてるのかもしれないけど)。

それに、主人公は、懸命の祈りにも関わらず父が死んでしまったことで神をずっと恨んでおり、なぜ神は善人の苦しみを救わないのか、と疑問を持っているところにも「そうそうそう!」と全力で頷いてしまった。エクソシストモノでは多くの鑑賞者が抱く疑問だと思うし、今までのエクソシスト作品には神がなすことは人知を超えているとか、神が人間を試しているとか、もにょもにょとはあるけれどハッキリした問答はなかったと思う。が、この作品では「子供は親が自分を愛していることを知っているからこそ、親が成すことの意味をしらなくても信じることができる」みたいな解を神父が出している。神は我々を愛しているのだから、我々が受ける苦難には何かしらの意味があり、それはいずれわかる時がくる、みたいなこと。
正直、スッキリしたかといえばノーだけど、言葉ではなく、主人公の行動によってなんとか納得感を出そうとしている感じがある気がして良かった。何度も何度も人間を苦しめようとしてくる悪魔を、人間がボコって撃退していく=鍛錬し続ける、ことが生きていくということなのかと思わせる主人公だった。強いのいいね。やっぱり強靭な肉体と健全な精神でありたいね。

アクションシーンはスピーディで息もつかせぬ殴り合い。ちょっと子供向けかなとも思うけれど、黄金期の香港映画をちょっと思い出した。
続編があったら見たい。今度はビビリだったチェ神父も活躍してほしい。

主人公の俳優の顔(表情)に見覚えがあると思って見ていたら、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷とキンプリの永瀬廉を足して2で割った感じだと思いついた。