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燃ゆる女の肖像のAPのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.9
"バクラウ 地図から消えた村"を捨てて優先した本作。軽く観られるアニメ映画に逃げていた自分にとっては久しぶりに見応えのある作品に出会った感。

これはかなり少数派な感想だと思うが、なんか怖かったんだわ…。姉の自殺を冒頭から知らされて、別れに対して敏感な登場人物がいて、そんもでもってこのストーリー。終始ゾクゾクさせられて疲れた。

もちろんゾクゾクさせられたのはあらゆるものの見せ方が猛烈に綺麗やからってのもある。
なんというか造り手の観察力がすごい。マリアンヌが描いたエロイーズの表情、最初そっくりやと思ったけど、後半「あぁすごいわ、肖像画全然違う!」となった。驚いた。視線を追っていくような感じのカメラワーク、すごく物語に入り込める。

そして度肝抜かれる音楽の使い方、見事なまでに音楽を使わないなと思ったらミラノのくだりで仕掛けに気づいて鳥肌立った。

そんでもって音楽がないから波、炎、オルガン、トランプで机叩く、筆、赤ちゃんの声などなどめちゃくちゃ耳に入ってくる。それがまぁ心地良いのなんの。

衣装も綺麗でしたねぇ。エロイーズには緑と青と白、マリアンヌには赤、これめちゃくちゃ分かる気がする。

胎児を堕ろすうんぬんの流れもまた衝撃的でしたな…。ソフィめちゃくちゃ砂浜走らされてたな…。

クライマックスについてはノーコメント。何も言えまい。(とか書いたくせに、投稿してからすぐネタバレコメントした奴)

ほんと久々色々考えながら真剣に映画観られて良かったわ。バクラウどうしましょう😑
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