椿本力三郎

燃ゆる女の肖像の椿本力三郎のレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.3
グザヴィエ・ドランが絶賛したのもよくわかる。
メインとなるエピソードはわずか数日での出来事であるが、
そこでの濃密な感情の揺れと動き。
徹底的に無駄が排除されており、音楽・音響効果もほとんど使われない。
だからこそ、わずかに使われる音楽はいずれも強烈な印象を残す。
また、男性もほとんど登場しないが、
この視点から切り取るならば確かに不要で違和感はない。
「見る、見られる」「見ている、見ていない」がキーワードか。
再会の描き方が切ない。
静かで、重くて、しかし激しい。
そしてどのシーンも美しく、ずっと絵画を見せられているような気持ちになる。
深い余韻が心地よかったです。