ぬーたん

マティアス&マキシムのぬーたんのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
4.5
グザヴィエ・ドラン、監督・脚本・主演。打つ投げる走るの大谷翔平みたいに映画の全部をこなしちゃう。才能ある人間って一体どうなってるの?しかもドランも翔平くんもイケメンで爽やか!
まだ32歳。19歳で『マイ・マザー』初監督。私も彼の作品は過去に4作ほど観たが、才能は凄くても好みではないと思っていたが、今作で逆転ホームラン!素晴らしい。ドランにとって男性同士の恋愛と母との確執が、自分自身の経験を活かせるテーマなのか?全作品に共通のテーマだ。何が凄いってその表情や仕草だけで、その心の内の叫びをセリフなんてなくても観る者に聞かせちゃう。脚本も演技も演出もパーペキ👍
間とか音楽とか効果音とか、雨とかカメラとか、全てが波に乗るようにスーと滑らかに流れていく。
1つ残念なのは感情移入し過ぎてイライラしちゃうこと!来てよ来て!行けよ行け!じれったい。あぁじれったい。
マティアス役がいい。自分で自分の感情をコントロール出来ず、持て余している。一方のマキシム役のドランは素直で自然で子供っぽい。
まるで『ブロークバック・マウンテン』の2人の様だ。素直に感情を受け入れるジャック(ジェイク・ギレンホール)と持て余して苦悩するイニス(ヒース・レジャー)を彷彿とさせる。ブロに比べ現代風にポップに明るく描いている。周りの友人役は本当の友人かもしれない、と思う程自然で良かった。男の友情って良いなあ。
女性たちがみな明るくお喋り!特に年配者たちの大らかさは気持ち良い。ただ母親は…困ったもんだ。彼の描く母は形は違えど、とにかく強くたくましい。この母役のアンヌ・ドルヴァルは『マイ・マザー』の母でもある。ドラン監督の常連。味のある演技は忘れられない。
最初の方は退屈に感じたが、後半の展開でどんどん引き込まれた。終わってみたら、放心状態!電話からのラスト数分を5回は観たかな?憑りつかれた!胸が痛い、苦しいよ。そして泣ける。まあ、ブロークはラストシーンだけ30回以上は観てるから、多分届かないけどね。
好みは分かれそう。女性、中年以降、ゲイに抵抗ない人。はハマるのでは?私はどっぷりドラン沼にハマって陸に上がれないカッパ状態だぜ。

※おやつは岩泉牧場のプリン。今のところ、これと柳月のプリンが最高のプリンだと思うなあ。ダージリン紅茶をミルクで。
※夕飯はさんまの塩焼き。今年もやや小ぶり。でも脂は乗ってる。豚汁、きゅうりとイカの塩炒め、白菜と昆布のポン酢あえ。
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