よーだ育休準備中

カイジ ファイナルゲームのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)
3.0
東京オリンピック後に日本経済は急速に失速した。外資の参入により物価が高騰。日本中が不況に喘ぐなか、貧富の差は益々拡大していった。低賃金で労働力を買い叩かれているカイジ(藤原竜也)の前に、かつてのハンチョウ大槻(松尾スズキ)が現れる。

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|| 『 90's_animania 』 ll
|| 提供 あちゃん よーだ ll
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 (  ) ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∕


◆ 素ビールとは味気ないねぇ

大人気ギャンブル漫画の実写映画第三弾にして最終章。原作者が実写映画のためにシナリオを書き下ろしたそうです。大不況に陥った日本社会は腐敗した政治家や権力者が甘い蜜を吸い、圧倒的多数の弱者が踏みつけにされるディストピアと化していました。


〝日本中が帝愛の地下みてぇだ〟


民主主義も法治主義も破綻した日本は現実味に欠けています。フィクションだからといえばそれまでですが、上手く脚本に活かせていない事は問題だと感じました。

今までの作品では、ギャンブルで負けた者は即地獄(帝愛の地下労働)行きであるが故に決死の、何でもありの、死に物狂いの駆け引きが見所でした。今作の場合は日本全土が帝愛の地下のようになってしまっているため、ヒリヒリした緊迫感が弱いのです。


〝クソこれじゃまた例の橋じゃねぇか!
ーなんでまたこんなことしてんだ俺!〟


過去作のオマージュシーンとして楽しむのみで、本当になんでこんなことしてんのか、全体的に雰囲気だけで裏付けが弱い仕上がりでした。


◆ 辞めたいやつは今すぐ辞めろ!

今作では、カイジは日本の預金封鎖(日本の抱える負債を国民の預金で相殺するという悪魔的政策)を防ぐために戦います。預金もクソもないカイジが世のため人のために身体を(中途半端に)張るというのがそもそもパンチが弱い。

ですが、そこを多少なりとも緩和させてくれたのが今作のヴィランである黒崎の存在でした。帝愛グループの派遣会社で代表を務める派遣王を吉田鋼太郎が怪演。この役者さん本当に面白くて大好きです。黒崎は前作でも登場していました。前作では嶋田久作が演じていましたが、今作はキャストが変更されています。

この吉田鋼太郎というインパクトがあったからこそ、今作のストーリー、ひいてはメインギャンブルである所の《人間秤》がつまらなくても、ギリギリの所で中弛みせずに間を持たせることが出来たと思うのです。

前作ではポエマーでナルシストの様だった黒崎のキャラが、一気にコメディ要因に振り切れていた事は気にしません。二作目でカイジのことを〝セミのように鳴いてこい〟などと散々煽っていた黒崎が、今作で〝あの男か伊藤カイジだったのか〟などと発言した時にはズッコケましたが。


◆ クズ!!!そうだろ!!!

新田真剣佑、関水渚、福士蒼汰、瀬戸利樹…
今作は過去作品と比べて若いキャラクターが新規参入してきました。前作までは資金繰りに苦慮して闇金に手を出す中年層がメインターゲットだったのに対して、日本全体が不景気のため若者の資金難がフィーチャーされる構図はわかります。(福士蒼汰のポジションはもっとミドル層でも良かった。それこそ育三郎が良かった。)

ですが、今作のキャストで嬉しいのは過去のお助けキャラが今作でもお助けキャラとして登場した所。天海祐希と生瀬勝久の登場は嬉しいサプライズ。ラストの怒涛の畳み掛けは良かったですが、余計にトネガワ(香川照之)の存在が恋しくなります。

カイジが金銭的に苦慮している青年たちに対して〝クズ!!!そうだろ!!!〟と畳み掛けていましたが、なんとなくトネガワ口調だなぁなどと感じてしまいました。


𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 𓈄
Dear.あちゃん

カイジマラソンお疲れ様〜!
世界観がガラッと変わって戸惑った〜( ˘•ω•˘ ).。oஇ
吉田鋼太郎が居なかったらどうなっていた事か…
次のマラソンもまたよろしくね٩( 'ω' )و