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Winnyのhuaのネタバレレビュー・内容・結末

Winny(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながら、Winnyというソフトも、事件のことも、金子勇さんという方のことも知らず、前知識も結末も何も知らずに鑑賞。

とても面白かった。
悔しくて苦い気持ちや、警察や検察への憤りや、何としても無罪を勝ち取ろうとする弁護団の熱意や、金子さんの逮捕されてもなぜか他人事のような、ちょっとズレたような感覚にも、むしろ清々しさを感じてしまったりと、いろんな感情が蠢き忙しかった。

敢えて感動のラストを描かないのは、これは現実にあった事件なのだから作品を重厚に仕上げているし、観ている方に考えさせるメッセージなのだと受け取った。

この事件と並行して進んでいく愛媛県警の裏金告発問題。こちらも時を同じくして実際に起こっていたことで、見事に繋がっていく。
腐り切った警察組織、権力の横行に立ち向かう仙波敏郎氏と金子氏は同じ方向を見ていたのだろう。

金子氏の貴重な時間と、日本のテクノロジーの発展の可能性を奪ったのは、日本社会の大きな損失だ。
天才開発者の芽を摘み足を引っ張ることはあってはならない。

金子氏を逮捕した検察の本当の目的はなんだったのか。
何よりも本人が今ここにいないことが残念でならない。
エンドロールでの本人の姿、言葉から、実直な人間性が伝わってくる。未来の技術者が萎縮せず自由に開発できるように、新しい才能、若い人へのエールが重い。
才能ある若者たちが、そのエールを受けて開発に挑み、日本が世界に勝てる日が来ると信じたい。
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