エイデン

絶対に怖い話のエイデンのレビュー・感想・評価

絶対に怖い話(2015年製作の映画)
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『被写体のない写真』
あるカップルが、車で夜道を進んでいた
そんな中、男が以前 この先のトンネルで髪の長い女が歩いていたという話をしたところ、突然 目の前にふらふらと歩いている少女が現れる
慌てて車を停めた2人は少女の様子がおかしいことに気が付き声を掛けると、少女は茫然とした様子で「タスケテ」と書かれた紙を見せるのだった
時は遡り、その少女 琴美は、兄の博史とその恋人 今日子と共に、山へハイキングに訪れる
しばらくして道に迷ってしまった3人は、近くに人がいることに気が付いて声を掛けるが、その人物は首を吊った遺体だと判明
驚いた3人だったが、博史は遺体の足元に「タスケテ」と書かれた紙が置かれているのを発見
それは写真の裏に書かれたもので、写真には不気味な何かが写り込んでいた
恐ろしくなった3人は警察に通報しようとするが圏外で、とりあえず助けを呼びに下山しようとするが・・・

『消えない手形』
ある長いトンネルに幽霊が出る、そんな噂を聞いた彼氏に連れられ、佳子はそれを確かめに現地へと向かう
トンネル内に車を停め、しばらく様子を伺っていたものの、特に変わった様子も見られない
所詮は噂かと帰ろうとしたその時、後ろから叩かれるような音が響く
恐る恐る振り返った2人は、車のリアウインドウに手形が付いているのを発見し・・・

『ベッドの下』
男友達のユースケを家に泊めた沙耶
すると床で眠っていたユースケが、腹が減ったとコンビニへ行きたがる
断ってもしつこく食い下がるユースケは、突然 包丁を手に取ると、無理やり沙耶をコンビニへ連れて行こうとし始め・・・

『経理の女』
就職を機に5年前に上京してきた経理の女性 絵里
絵里には2年も続いている上司 緒方との不倫という悩みがあった
誰にも相談できるはずもなく、ネットの掲示板にそれを打ち明けて憂さ晴らしをする日々
緒方は不仲な妻とは別居中らしく、ほぼ毎日のように絵里と会ってくれていたが、ネット掲示板の住民達から、それは浮気男の常套句だと指摘されると、言葉に詰まってしまう
また、もしもそれらが本当に嘘で、別れを告げられたらどうするかという質問に、絵里は浮気のことを匿名で会社に暴露するとふざせながら書き込むのだった
そんなある日、同僚と出掛けていた絵里は、妻や子どもと楽しそうに過ごしている緒方の姿を目の当たりにし・・・

『女』
ある高校3年生の男子生徒 英二が放課後遅くまで学校で受験勉強をしていた
勉強を終え、帰宅しようとしていた英二は、悲鳴を聞きつけて美術室に足を踏み入れる
その悲鳴の主は腰を抜かした教師で、教師は何かに怯えたまま逃げ去ってしまう
1人残った英二は、教師が何に怯えていたのか探ろうとするが・・・

『インプラント』
東京の商社で働く静香は、泊まりに来た彼氏タクヤと部屋で眠っていた
深夜、1人目を覚ました静香は大きな地震に見舞われ彼氏を起こそうとするが、次の瞬間 朝になっていることに気が付く
姿の無いタクヤに電話をすると、会議のため早く家を出たのだと言う
ただの悪い夢だと考えた静香だったが、自分の首筋に黒いあざのようなものができているのを見つける
しばらくして出社した静香は、昼休みに同僚に地震について尋ねるが、そんなものは無かったと言われてしまう
また直後、気分の悪さを覚えた静香は、早退して病院へと駆け込むが、医師から告げられたのは妊娠だった
生理中のためそんなことはあり得ないと訝しむ静香は、とりあえず心配するタクヤに連絡を取り部屋で休むことに
そんな折、突如として部屋に2人組の男が現れ、静香は見知らぬ場所に監禁されてしまい・・・

『遺書』
家賃取立ての代行業務をしていた智樹は、ある日 後輩から1年家賃を滞納している客の対応を頼まれる
その家には篠崎という一家が住んでおり、後輩によれば主人の頭がおかしいのだと言う
行けばわかると詳細も教えられず、渋々 篠崎家を訪れた智樹だったが、呼びかけにも応答がなかった
扉に手を掛けると空いていたため、中に入ってみるが、そこにはやはり誰の姿も無く、電気や水道も止まっていたため、智樹は篠崎家が夜逃げをしたのではないかと疑いを持つ
中を探索していた智樹は、机の上に拙い平仮名で「いしよ」と書かれた紙の束を発見
それが「遺書」のことだと考えた智樹はそれを読み進め、篠崎家に何が起きたのかを知ることとなる



ホラーオムニバス『絶対に怖い話』第1弾

体験談を元にした短編ホラーが7作収録されてるけど、
『被写体のない写真』は『心霊写真奇譚』
『消えない手形』『ベッドの下』『女』は『実録!リアル恐怖DX』
『経理の女』は『幽霊より怖い話 VOL.3』
『インプラント』は『実録!呪われたUFO体験 Xファイル』
『遺書』は『幽霊より怖い話 VOL.4』
にそれぞれ収録されているので、同じレーベルのホラーオムニバス作品の傑作選というのが本作の実態

肝心の内容としては90年代の流れを汲みながら00年代に乱立してた低予算ホラーのそれ
チープな作りで気になるところは多々あるけど、10分程度でまとまっていてサクッと観られるスナック感覚な作品
様々なオムニバス作品の寄せ集めもとい傑作選なので、心霊からヒトコワ、果てはSFじみた作品まであって、色んな味が楽しめる

まあ単発ではやや微妙な感はあるけど、その辺はテンポで補えてる気はするのでヨシ
ついでに言うと、元はケータイサイト『実録!リアル恐怖DX』の投稿怪談らしいので、そういう意味ではリアルに起きたら絶対に怖い話ではある(そう言われると既視感のあるストーリーもある)
ホント...???

何にせよ肩の力を抜いて楽しめる怖さの作品群なので、時間潰しがてら観ましょう
個人的には『被写体のない写真』と『遺書』が好き
エイデン

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