エイデン

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ベーリング海
推測航法(“デッド・レコニング”)を備えたロシアの次世代潜水艦“セヴァストポリ”は、如何なる方法でも敵に感知されないという最新鋭の機能を搭載していた
そのシステムはAIによって制御されており、2つの鍵を組み合わせた十字型の鍵を用いなければ、AIの制御室にも入れない仕様
度重なる試験航行を繰り返していたセヴァントポリはある日、アメリカの潜水艦を発見する
何故かアメリカの潜水艦はセヴァントポリの存在に気付いているらしく、突如として魚雷を発射
慌ててセヴァントポリも魚雷を発射し応戦するが、先に着弾するはずのアメリカのものが着弾しない
更にソナーで捉えていたアメリカの潜水艦そのものが消えてしまうのだった
システムの異常と判断し安堵したものの、こちらが発射した魚雷が突如として制御を失いセヴァントポリに着弾
乗組員は全滅し、セヴァントポリは海底へと沈んでしまう
それを操っていたのは、暴走し自我を持ったセヴァントポリのAIだった
アムステルダム
アメリカの機密諜報機関“IMF”のベテランエージェント イーサンの元へ、本部から新たな指令が届く
それは、かつて肩を並べて戦った元MI6のイルサと、彼女が盗み出したというある鍵を確保しろというもの
その鍵は2つの内の片割れで、世界中が目を付けているらしく、既にイルサには懸賞金がかけられ、賞金稼ぎから追われる身となっていた
早速イルサが潜伏しているアラビア砂漠へと向かったイーサンは、多数の賞金稼ぎと戦闘を繰り広げながらイルサと再会
イルサから鍵を受け取ったイーサンは、彼女を死んだことにして逃亡させるのだった
ワシントンD.C.
CIA長官のキトリッジ、国家情報長官のデンリンガーら情報機関のリーダー達による情報委員会は、世界中を揺るがせている“それ(エンティティ)”について会議を実施する
エンティティは既に各国の防衛システムや金融機関への侵入を行っている、自我を持ち自ら進化を続ける謎の新型AIだった
このデジタル社会において、あらゆるシステムを突破し、自在に真実を歪められるエンティティの存在は脅威そのもの
しかし同時に、もしエンティティを制御できれば、世界を意のままにコントロールすることも夢では無かった
エンティティの本体がどこにあるのかも、2つ1組の十字型の鍵が何を開けるものなのかもわからないまま、鍵があればエンティティを制御できるとして、各国は水面下で鍵の争奪戦を繰り広げていたのだ
その会議に潜入したイーサンは、キトリッジがイルサに懸賞金をかけ鍵を手に入れようとしていた張本人であると看破する
そんなイーサンにキトリッジは、アメリカがエンティティを手に入れ、新たな世界を作り上げることを画策していることを明かす
協力を持ち掛けられたイーサンはそれを拒否、エンティティが誰かの手に渡ることは危険だと考え、その破壊を目的に行動を開始する
早速ルーサーとベンジーらチームを召集したイーサンは、イルサに託された鍵の1つを手に鍵の争奪戦へと挑むが、その前にキトリッジの部下ブリッグスや、イーサンの過去を知る謎の男ガブリエルが立ちはだかり、事態は混迷を極めていく



『ミッション:インポッシブル』シリーズ7作目

長寿シリーズも遂に最終章へ
初の2部作の前編が登場
今度の敵は自我を持った軍事AIエンティティ
最新鋭のアイテムを駆使するスパイの存在すら旧時代のものとしてしまう驚異的な敵を前にイーサンらチームが立ち向かう

振り返ってみればシリーズ1作目『ミッション:インポッシブル』が1996年公開、元となった『スパイ大作戦』に至っては1966〜1973年の作品なので、そもそもコンテンツ自体 歴史は思いのほか古い
そして映画シリーズを牽引してきたトム・クルーズも2023年で61歳と、第一線でアクションしてるのが不思議な年齢でもある
現在というデジタル社会に現れたAIという敵は、こうした『ミッション:インポッシブル』というシリーズ自体との対比にも思える

作中のイーサンも還暦を迎えての時代遅れ感はあるものの、演じるトム・クルーズのアグレッシブさとチャレンジ精神でベテラン感溢れた一流っぷりが拝める
そして新キャラクターとして登場するグレースもIMFの新たな一員として成長するという、長寿シリーズにありがちな継承のストーリーにもなっていて、イーサンも旧時代の英雄として頼れる師としての一面が見えてくるのは新鮮かな

前後作だけあって、これまで以上にスケール感の大きな物語に、まだまだ挑戦を辞めないトム・クルーズのカッコよさも光る
サプライズ的な展開もあり、後編への期待感も爆上げ
後編までに観て震えて眠ろう
エイデン

エイデン