Tラモーン

真犯人のTラモーンのレビュー・感想・評価

真犯人(2019年製作の映画)
4.0
定期の韓国サスペンス摂取いきましょう。


雨の降る夜、ヨンフン(ソン・セビョク)の妻ユジュン(ハン・スヨン)が何者かに殺害される。やがてヨンフンの友人であるジュンソン(オ・ミンソク)が容疑者として逮捕される。そして事件から半年が経ったころ、最後の公判を前にジュンソンの妻タヨン(ユソン)が夫の無実を証明するためヨンフンに証言台に立つよう説得に現れる。


フィルマークスのスコアこそ低めだけど個人的にはかなり面白い作品だった。
時系列を行き来しながら見せる中で、登場人物たちの印象を変えながらミスリードを誘い誰もが怪しく見えてくるような脚本は上手いと思うし、全体的に粗っぽさこそあるものの終盤の怒涛の展開とラストシーンの強烈さと余韻の強さが高評価。

ネタバレ厳禁作品なのでそこはレビューでは触れず。

殺されたユジュンを除いて、メインの登場人物は4人。たった4人だと犯人なんかすぐ見つかりそうなもんだけど、みんな自分勝手に感情任せなムーブばっかりなので誰が私怨で人を殺してもおかしくないような気がしてくる。

時系列が行ったり来たりするけど、散りばめられた伏線や違和感はキッチリ回収されるのでご安心を。
真犯人のあのときのセリフ変だと思ったんだよな。

そして韓国特有の血生臭い描写もたっぷりだけど、映画全体を覆うダークファンタジーのような風合いが独特な雰囲気を出していて、血が流れるシーンを真上から撮ったカットが綺麗で印象的。


"あの日なにがあったのか知りたいんです。そうすれば誰かを恨むなり、許すなりして生きていける"

あんな結末で気持ちの整理はついたんだろうか。あんなに辿り着きたかった真実がこんなにも残酷な結末だったとは。

真実を知ることが必ずしも幸せではないのかと、救いも無ければやるせも無いラストシーンの余韻が悲しい。
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