朝鮮第4代国王・世宗(ソン・ガンホ)。
上流階級層だけが使用する中国の漢字。この状況を改善しようと独自のハングル文字を作ることを決意する…。
朝鮮王朝の歴代王の中で一番の名君と称えられている世宗。
ハングル創製や儒教活動、科学技術や国土拡張など、多大な実績を残したと言われているらしい。
新しい文字をなぜ作るのか。それは滅びたり衰退するこのとないようにと、王様の願いがこめられていた。
いつも新しい事を始めると様々な反響があり、良い事も悪い事も伝わってくるものだ。
世宗王は30年統治してきた中で、後世に残せる書物が一冊もないと嘆き、唯一残せるものができたのがこの作品に登場する『訓民正音』というハングルについての文字の由来が書かれた書物。この書物が世の中に広まるようにと願い、悪戦苦闘しながら作成されていく様子をただただ描いた物語だった。
口頭だけで語り継がれる事に危機感を感じ、自国独自の文字を誰でも簡単に覚える事ができるようにと、一文字の音の響きを模索しながらの途方もない作業が果てしない。
私も日常に使用している文字は誰かの途方もない作業があったからこそ普通にそこにあるものとして使えるのだと感謝し、なるべく正しい言葉を使うようにと、気が引き締まる思いがした。
