ぴのした

死刑台のエレベーターのぴのしたのレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
4.0
京都最後の日、最後に僕が行ったのはみなみ会館でした。時間的に見れるやつがこれしかなくて、仕方なく見たところがあるんだけど、いやはやこれが大当たり!!さすがですみなみ会館さん。面白すぎ。かっこよすぎですよ!

サスペンス映画なんだけど、フランス映画独特のセリフの少なさや流れるようなカメラワーク、観客の心情を煽るジャズのカッコいいことなんの!同じ白黒サスペンスでも終始アメリカ映画的なヒッチコックとは全然違う。

冒頭の電話のシーンからもうグッと引き込まれるよね。全体像のわからない会話、徐々に加速するカット割り、そして突如始まるオープニング…カッコいい…!!!しかもそれがラストシーンにつながるというギミックの深さよ。

ラストの事件解決のシーン、「〜こういう証拠があって、こういうトリックだから、だからお前が犯人だ!」みたいな金田一的な終わり方ではなく、ジワリと浮かび上がる写真だけで事件の終わりを観客に伝えてくるところとか痺れるよね。良くも悪くもアメリカ映画や日本のサスペンスは説明的かつ言語的すぎる。それに比べてこの直接的で絵的な終わり方はフランス映画らしくて斬新に感じたなあ。

最後にこんなにいい映画を見せてくれてありがとうみなみ会館。再開、楽しみにしてます。