韓国のSF物は特撮とかアクションは素晴らしくいいのだけど、どうもSF本来のしっかりと(いやしっかりとしていなくてもいいんだけどそれっぽく感じさせてくれればってことで)科学に基づいた設定を無視しがちで、ちょっと避けてはいた。
本作はSFものの皮をかぶってはいるが、韓国らしい情感たっぷりのバディものであり家族ものであり、同時に生きるとはなんぞや、というプチ哲学すら盛り込んでのなかなかの名作になっている。
コン・ユが出てくると例えば「新感染~」のような荒唐無稽に振り切っていても人情噺に偏ってしまう。役者の特性としてこれは面白い。それに加えヴィランに韓国の橋下徹ことチョ・ウジンを持ってきたのが大正解。顔つきがそもそも憎そいんだ。日韓共にね。
結構深いところにジンと来る良作。ラストもハリウッドとかだとこうはいかないだろうな。素晴らしいです。