エイデン

魔界探偵ゴーゴリIII 蘇りし者たちと最後の戦いのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

1829年、ポルタバ州ディカーニカ村
若い娘ばかりを狙う超常的な連続殺人犯“黒騎士”を追っていたニコライ・ゴーゴリは、強力な妖怪“ヴィー”との戦いで命を落としてしまう
共に事件を追っていた従者のヤキム、鍛冶屋のヴァクーラ、医者のボンガートは悲しみに暮れていた
村の警察署長ビンフは、ゴーゴリの立てた計画が裏目に出て、“黒騎士”の手で一気に7人の娘が殺害されたことから、彼を犯人と断定しており、誰にも見つからないうちに関係者だけで埋葬を済ませることとする
村の離れに建つ屋敷の主人ダニシェヴェスキー伯爵と、その妻であり密かにゴーゴリと愛を交わしたリザも立ち合い、早朝のうちに葬式と埋葬が行われる
ヴァクーラの娘ヴァシリナは彼がまだ死んでいないと主張するも聞き届けられず、ゴーゴリの入った棺に土が被せられていく
その頃 ゴーゴリの意識は、その特異な能力のためか死んだ父親と再会を果たしていた
その傍らには鼻を包帯で隠した不気味な男がおり、父親が地獄の業火で焼かれる間 ゴーゴリは生き続けねばならないと語る
するとゴーゴリは棺の中で目を覚まし、もがきながら何とか脱出を果たすと、ヤキムらに保護され看病されることに
一方でヴァクーラは何故ヴァシリナがゴーゴリが死んでいないことが分かったのか不審に思う
ゴーゴリが生きていたことを喜ぶ一行だったが、ビンフ署長はゴーゴリが生きていたことで、改めて彼を黒騎士として逮捕し監禁してしまうのだった
ゴーゴリは村の娘たちが死んだことをビンフ署長に聞くと、彼女らが匿われていた場所をダニシェヴェスキー伯爵も知っていたことを思い出す
ダニシェヴェスキー伯爵こそが黒騎士であり、リザも狙われていると訴えるゴーゴリだったが、ビンフ署長がそれを信じることはなかった
その頃 ゴーゴリに恋をする水の精として蘇った死者オクサーナの元にダニシェヴェスキー伯爵が現れる
何故 自分が見えるのかと驚くオクサーナに、ダニシェヴェスキー伯爵はゴーゴリを殺してほしくなければ、生者として蘇らせる替わりに彼を誘惑して邪魔をしないようにしろと甘言を弄する
死後に地獄へ行くという条件ながらオクサーナはそれを承諾してしまう
ゴーゴリの“闇の者”としての運命は、ついに黒騎士との最後の戦いに向かって行く



実在のロシア文豪ニコライ・ゴーゴリを主人公にしたダーク・ファンタジー最終作

物語の主軸だった黒騎士事件もついに決着
黒騎士の謎とゴーゴリ出生の秘密が明かされる
とは言っても謎解きシーンがあるわけでもなく、自供と力業で事件を解決するので、そこは悪しからず
まあここまで観てる人は探偵ものじゃなくて魔界探偵ものだと理解してると思うけど

完全な解決編なので前作のヴィー戦のような派手さには欠けるし、展開的に意外性にも欠けるのがちょっと難点
どんでん返しはあるものの、割と予想の範囲内だし
続編狙ってるのかはわからないけど、何か妄想が捗るラストは好きだった

終盤の展開は混雑気味だけど、色々と明かされる中で先の見えない展開は良かった
大団円とはならない辺りがロシア文学感を覚えるけど、シリーズもの、ダーク・ファンタジーものとしては十分楽しい作品になってるので、シリーズ通して観ましょう
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