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Two(原題)のyutaのレビュー・感想・評価

Two(原題)(1965年製作の映画)
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サタジットレイのトゥー 潔癖症的にセリフないのが神だという安直さの為に違和感あるのにセリフ無しでやるやついるけど今作は子供同士のコミュニケーションというのもあってそれが自然でコミカル。前半はアメリカ成金(ミッキーやコカコーラ)の子供と外の貧困層の子供という当時のインド社会の格差を場所的に(上に住む金持ちは格子が牢屋のよう)描きつつユーモラスな子供同士の争いをする。でも終盤は貧困層の子供の凧をガチの銃で撃ち落としいっぱいのおもちゃを動かしてガシャガシャ遊ぶ暴力性へ。でもそこから貧困層の子供が吹く笛の音(最初の登場時にも流れてきてそのキャラを示すモチーフに)がそのおもちゃの音を邪魔して介入しそちらがどんどん大きくなっていく。暗転前に機械のおもちゃがおもちゃのタワーを倒して不穏に幕を閉じる。子供同士の無邪気な諍いの中にシリアスな社会性が光る傑作。ラストの吹き荒ぶ風の音は子供のそして当時のその階層、社会の虚無。下の貧困の子供の顔!笛の音は大きくなり耳から離れない。
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