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U・ボートのyutaのレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
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狭い船内という閉塞感とわからない故の音の恐怖がuボートの醍醐味。潜水艦内という代わり映えしない映像面はスピーディに動くカメラがそれを感じさせない。音楽とかは戦意高揚させるものの延々と続く潜水艦生活や攻撃されて狂うヨハンなど限界状況が次から次へとおこり、それが潜水艦という密室で繰り返されるので頭おかしくなる。戦争というより潜水艦の極限な状況を中心に描いている。ラストが敵艦撃退ではなく海底からの生還という点でもそれは強調される。浸水や何度となく行われる爆雷シーンは精神をすり減らされる。ヴォルフガングペーターゼンはネバーエンディングストーリーやアウトブレイクなど毛色を変えられる監督。映画的娯楽要素ありながらも戦争というか潜水艦の恐怖をしっかり描いている点は真摯で正当な倫理ある姿勢の映画作り。そして映画としてはハッピーエンドを害する何なら蛇足とも取れるシーンは戦争というテーマを鑑みれば痛切なメッセージとなる。ドイツの斜陽化、しっかり栄光だけで終わらせていないドイツの戦後反省、ここまでしっかり描いてラストやっと生還してからのそれがもろくも崩れさるあっけなさ、戦争のリアルさをしっかり描く
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