このレビューはネタバレを含みます
これ実話なのかな。多分実話だよね。じゃないとこんなあり得ない出来事そのまま垂れ流しで描けないもんね。アマプラで見たからそんな没入できなかったけど、そもそもそういうものかな。劇場で見ようたってどうせヒュートラ有楽町だからなぁ。あんま変わらないやろ。
いきなり特に説明なく冒険に乗り出すというゼロ・グラビティ形式のやばいライド映画ですよというのを提示する異様にハイテンションな冒頭場面。
なぜか出ているイエスタデイのあいつ。別にイエスタデイのあいつでもなくてもいい役であいつ。
しかしまあこんな映像が撮れる時代が来たんですね。気球なんてよく19世紀~20世紀ものでよく出てくるんだけど、こんな恐ろしい気球描写があっただろうか。もう気球なんて絶対に乗りたくないよ。正気かよ。
寒さが伝わってくるような空気間の表現やばい。一面雲と空しかない風景なんてなかなか見られるものではない。
そして気候観測がしたいからってあんな命かけられるものだろうかね。
こういうチャレンジで気象予報の歴史が進んだんだとしたら感謝しかないな。
だんだんとそれぞれの過去が明らかになっていくのがまさにゼログラビティ的だけど、回想に頼り切りなのがあんまり上質じゃない。
そしてフェリシティ・ジョーンズ側の過去のトラウマが重すぎるだろ。よくもう一度気球乗ろうと思ったな。
取り返しのつかない高度に来てからのめくるめくスペクタクルに手に汗を握る。
途中で2人とも気を失ってしまう場面とか完全にオワタと思ったらまさかのミラクル。これも実話?ていうか確認しようがないし、本人が話盛ってるだろ。
気球のてっぺんからズルズル落ちていく場面の恐怖は尋常じゃない。ここはザ・ウォークやフリーソロ以来の恐怖を味わいました。
しかしあそこでロープが足に引っかかるなんてあり得るかね。そして宙ぶらりんで意識が戻ったからってあそこからリカバリーできる体力や胆力なんてあるのかね。
いろいろ納得できないながらも最後の痛そうな不時着までしっかり描き切った特殊効果の方々は素晴らしい。そんでベタだけど、何か革新的なことをしようとしたときの代償というテーマをわかりやすく絵で見せてもらいました。
いや~怖い怖い。
レッドメインとジョーンズさんが安易に吊り橋効果で恋仲になったりしないのは良かったです。
でもあの後何かあったのかな。
とにかく気球に乗っているときの起きたら嫌なことの展覧会みたいな映画でした。でお、途中でさらっとチョウチョが舞っているシーンとか入れてくるから油断ならないんだよな。
偉人の偉業は称えますが、みんなはくれぐれも無理なさらないように。