Ryu

Mank/マンクのRyuのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.6
「市民ケーン」を観て予習したつもりが・・・。知識の無さを痛感させられました(笑)。白いパラソルの女性やバラのつぼみのくだりなど観ててよかったと思える箇所はいくつもあったのですが、それでも、当時の政治情勢や映画業界の中身の話などピンとこない話が多々ありました。ストーリーは予想してたよりもざっくりとしたものでした。なんか勝手にマンクの執筆までを濃く描いたものだと思っていたのですが、あくまでマンクを軸とした“当時”を映したものだという印象を受けました。その映し方は流石デヴィッド・フィンチャー、当時の情勢や人をシニカルに見せつけてくれたと思いました。そして過去と現在のシーンを織り交ぜた演出やモノクロ映像は「市民ケーン」へのリスペクトでしょうかね。それからモノクロ映像がアマンダ・セイフライドとリリー・コリンズの美しさをより際立たせていました。分からない部分もあったのに、つまらないとは全く思うことなく、過去と現在を交差させる演出だったり、当時の雰囲気など惹き込まれる“深み”みたいなものがありました。もっと映画というものを勉強して「市民ケーン」も観返してから今作を観たらもっと発見があるかな。
Ryu

Ryu