SAKUMATHENERD

アラビアンナイト 三千年の願いのSAKUMATHENERDのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

物語に生き、物語を愛し、物語となった女

予告から想像していたものとは違っていたが、非常に楽しめた。

映画自体はシンプルなつくりでホテルの一室で主人公アリシアとジンが互いの物語を語りあう会話劇の形を取っている。ジンの3000年にわたる人生の回想が主。

アリシアは学者として常に物語を学ぶ対象としてしか考えてこなかったのが、ジンと生活を共にすることで遂には自分にも語るべき物語があることを見出す。
ジンも如何にして人間の欲を満たして自由になるかということだけを考えていたところを、アリシアの予想外の願いにより精霊としての元来の固定概念から解放されを生活を共にすることとなる。
2人が自らの人生を物語として語る至極のコミュニケーションを図ることで、最終的には結びつく流れに喰らった。お互いが無意識に抱えていた固定概念から真に自由になる上で支えあっている所から2人の様な関係をソウルメイトと呼ぶのに相応しいと思った。

予告にあった様なアイキャッチーなシーンも回想シーンに散りばめられているので、所々でヴィジュアルにも引き込まれる。回想では3人の女性の物語が主に語られるが、後世に語り継がれることがなかった彼女達の物語を最終的にアリシアが語り部として伝えて行く展開もアツい。
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