SAKUMATHENERD

アフター・アワーズのSAKUMATHENERDのレビュー・感想・評価

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)
3.8
『ボーはおそれている』冒頭の
都市ブロックでの不安症の不安をギガ化したスラップスティックコメディパートのインスピレーションとして挙げられていたので鑑賞。
スコセッシ監督作品ですが、そういえば観れていませんでした。失敬

理不尽に理不尽が重なり主人公が窮地に追い込まれ、それが不憫だか可笑しい様は共通点として見受けられます。

今作はこのアイデアで一本の映画を作っている分、点と点が重なりそれなりにストーリーが展開されています。偶然が重なっているだけなのに、主人公ポールが冒頭で出会った女性マーシーの自殺に罪の意識を抱いてから、色々勘ぐりだして周りの人に変に気を遣い始める折り返し地点を過ぎたぐらいから面白さに拍車が掛かってきました。
連続する不運に対して"何か"あるのではないかとこじつけてしまうのは人間の心理ではないでしょうか。神に何故自分にばかり不幸が起きるのかを切に問い、アパート内の銃殺事件を横目に
「これも俺のせいにされるぞ」とオロオロするポールの姿は本人には悪いけどめちゃウケました

シャレオツでどこか虚無感と疾走感が内まぜなアウトロや
序盤のタクシー🚕がスラップスティックコメディ的もしくはカートゥーン的に動く場面等
随所でいちいち巧みなカメラワーク・編集を見せつけてくるのは流石スコッセッシ御大です。

スコッセッシにとって今作が雇われ仕事だったこともあり、
激動の一晩を終え満身創痍のポールが文字通りアートの"皮"を破り労働の日々に戻るラストは意味深に映りますねぇ
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