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KCIA 南山の部長たちのnowhereのネタバレレビュー・内容・結末

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

韓国近過去歴史ドラマの流れ。名作続きで期待大。「ユゴ―大統領有故」同様の朴大統領暗殺事件の顛末。ところが冒頭に「これは事実を基にしたフィクション」とあらかじめはっきりと銘打つ。え? しかし描くのはいたってストレート。話はちょうど佳境を迎える「麒麟がくる」に符合。大筋では不可解な事件とまとめた「ユゴ」に対し、「殺してしまえ」の大統領に進言する南山の部長が勇み立つ謀反の図。ここは明解。しかしこの明智光秀にはいささかの憐憫も共感も抱けない。なぜか。心が揺れないのはなにゆえか。あえて民主化側を描かないからか。告発側にも共鳴できないからか。いや、ユ・ヘジンがいないのだ。どうもこの監督、直球勝負で球速はなかなかあるものの、こちらのストライクゾーンはつきえない。ユ・ヘジンがいる「タクシー運転手」「1987」「マルモイ」のようなコメディリリーフの遊びがない。時に貴重なボール玉がない。ストライクだけ投げようとしても、三日天下にもならないだろう。イ・ビョンホンのアップばかり。なまじツルツルの美男だけに、起伏も陰影も感じられない。あなたの悩みの原因と行き先はいずこ。まだ明智光秀の怒りの流れのほうがわかる。感情移入はできず。先のヘジン三作や「光州5・18」「国家が破産する日」のように大手を振って友人に勧めたかったのだが。
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