光の星からきた外星人ウルトラマンが自己犠牲のため死んだ神永と一体化し人類のため禍威獣やそれ操る外星人たちと戦う空想特撮映画。円谷プロが生み出したヒーロー『ウルトラマン』を企画・脚本の庵野秀明、監督の樋口真嗣など『シン・ゴジラ』の製作陣が参加して作られたリブート「シン」シリーズです。
『シン・ゴジラ』の時とは異なり巨大不明生物「禍威獣」が出現し精鋭を揃えた禍威獣特設対策室（カトクタイ）が禍威獣駆除している日本が舞台。その禍特対のメンバーの1人が神永で彼が正体を隠しながら戦っていくという展開です。普通に「禍威獣」とか当て字にせんやろとか思いますが冒頭からテンポよく『ウルトラQ』のノリで禍威獣駆除をしていく様子が描かれているので世界観には入っていきやすかったです。何よりも音楽をはじめとする雰囲気を初代『ウルトラマン』を踏襲するという高齢者世代に配慮した仕様が嬉しかったです。とはいえ基本的なラインはオリジナルと同じですがメフィラス星人登場辺りから話が変わってきます。このメフィラス星人、人類独占管理を目論むため政府と交渉する強かさと同時に居酒屋を楽しむといったユニークさで演じる山本耕史の演技力もあって作中でも1番存在感がありました。自分が優位となっても地球の運命を悟るや方針変更するといった判断力も含めて悪党とは言い切れない植民地を増やしていたころの西洋人のごときリアリティだと思います。
ウルトラマンのデザインでカラータイマーがなかったりする変更は緊張感が減じるからあまり好ましくないと感じますがまあ許容範囲。それよりゼットンの扱いに違和感あり。ゾフィーが『火の鳥』のような感じなので、いっそのこと光の星の反逆者になるくらい徹底してほしかったです。
そういえば竹野内豊氏が出演されてましたけど個人的には『シン・ゴジラ』繋がりでラスボスがゴジラだと勝手に期待していました。無念。
