たかちゃん

ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝のたかちゃんのレビュー・感想・評価

3.9
後期印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホは、作家として活動したのは僅か10年であったが、現存する作品は2000点以上。
本作は、無名時代にゴッホの作品と出会い、個人収集家として300点を収集したヘレーネ・クレラ=ミュラーの収蔵美術(クレラー=ミュラー美術館)から、ゴッホの習作時代の作品、静謐なハーグ派(灰色派)、そして印象派へ。躍動する色彩、肉厚な絵の具。そしてゴーギャンとの決裂、耳切り、拳銃による自殺…。自殺直前まで変化し続けた作風を、ゴッホとヘレーネが残した手紙と収蔵作品から分析、解説する美術ドキュメントである。
ゴッホの置かれた状況がその時の作品に与えた影響についてゴッホ研究家マルコ・ゴルディン、美術館スタッフが解説する。
案内人はイタリアの名女優、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。彼女の微笑と視線、温かみのある声で、ゴッホの波乱に満ちた生涯を、彼の作品と照合する旅はまさに至福の時間。ミステリアスで謎解き的興味に満ちた作品である。
本作は、イタリアのバシリカ・パラディアーナで開催された『ファン・ゴッホ 麦と空の間に』展に合わせて製作された。
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