ソープランドの運転手に従事している中年男（ケイチャン）が、性産業における人間模様を反芻していく。年号が"令和"に変わる瞬間を背景にしている、オーピー配給のピンク映画。

（筆者は、成人映画館向けのR-18版「風俗図鑑 ヤレない男たち」を鑑賞している）

同年公開「平成風俗史」の姉妹編に位置付けされている作品。平成の性産業を渡り歩いてきたオッサンが、若手スタッフ（吉田覚丸）の部屋に居座り、世代間ギャップに苦しみながら、喜劇調のマシンガントークを炸裂させる。

ソープランドの仕事に就いている人間たちのドラマだが、店舗内のシーンはまったく登場しない。黒服の社員寮を舞台にして、時代に取り残されつつあるオッサンと盛りが過ぎたソープ嬢（辰巳ゆい）が、儚くも愉快な会話劇を繰り広げる。

社会的底辺部でジタバタすることしかできない中年世代の人生讃歌。ピンク映画で一通りのジャンルを世に送り出し、ある種の"境地"へと辿り着いた竹洞＆小松コンビが解き放つ、職人技ともいうべき逸品。

人情ピンク作家・当方ボーカルの本領って感じですかね。
ピンク文脈に乗っ取ってちゃんとピンクやってくれるし、会話もいちいちコミカルで面白い。

ある種一般映画から興味本位で流れる人にも、R-18ピンクとの違いを楽しむ猛者にも受け入れられる一番入り口近くに存在する作品のような気もする。

平成風俗史より更にコメディ色が強くなった作品。個人的にはこっちの方が好み。

平成最後の夜、社員寮で、先輩 芳雄(#ケイチャン) と六男(#吉田覚丸)の馬鹿話で、始めは 先輩正太(#櫻井拓也)の武勇伝？が展開される。
ベテラン風俗嬢 真琴(#辰巳ゆい)が加わり、
六男の悩み解決に…

芳雄はオチャラけているようで、人のよさが感じられ、それをオチャラらけに付き合いながらも見守る真琴とのやり取りがほのぼのとして楽しかった。
正太と五月(#なつめ愛莉)の初々しい関係性もよかった。

平成風俗史を観ていないと、#若月まりあ さん、#卯水咲流 さんのワンシーンが意味不明が理解しにくいかな。

R15版で追加されたシーン大好きです。