むらむら

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷のむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
一人ディズニーランドは無くとも、一人お化け屋敷には行ったことがある俺。

そんな俺なので、「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷(Haunt)」も、カップルに囲まれて一人で観にいってみた。あ、前日「ハウンター(Haunter)」っての観ました。内容全然違うけど。

一人お化け屋敷では、二人組を脅かそうとして待ち構えてるお化けと目があって、微妙に気まずい思いをすることが何度もあった俺。一人で入場列に並んでるときも、「あいつ、まだ来ねーなー」とか、連れを待ってる演技をしたりして、我ながら涙ぐましい努力をしていた。くっそー、思い出したら当時の寂しい自分に腹が立ってきた(今もあまり変わらんけど)。

なので、男女5人でお化け屋敷に入る羨ましいリア充な若者が、お化け屋敷を作った殺人鬼に襲われる、というこの映画の胸アツなストーリーには「もっとやれー!」と大喝采を送りたくなる。

そもそも、なぜわざわざ殺人鬼がお化け屋敷を作るのか? もっと他に良い方法あるよね? なんて考えてはダメ! とにかく、「殺人鬼×お化け屋敷」、ストーリー展開も150%、予測通り。つまりは安心感のあるホラー映画(って言い方もオカシイか)なので、それで良いのだ。

ただ、周りのカップルに「あいつ、一人で来てやがるよ、プゲラッチョw」と陰口叩かれることを最も恐れていた俺にとって、ここに出てくる殺人鬼たちは、言い方は悪いが、恐るに足らぬ、という感じであった。

ヨボヨボなジョーカーに、顔からツクシみたいなのが生えてるヘルレイザー、よろけるレザーフェイス(これは元から)などなど、過去に多くのホラー映画を観てきた歴戦の勇者(俺)にとっては、雑魚レベル。こいつら、犬鳴村に行ったらウンコ漏らして入り口で引き返すと思う。

他にもヴァンパイアとかゾンビとかもいるけど、血を吸うわけでもなく生き返るわけでもない。似たりよったり。もっとキャラ立ちさせてくれればいいのに、90分という上演時間ではこれが限界なんかなぁ。政党で例えると、立憲民主党と国民民主党と社会民主党が出てきて騒いでる、みたいな。後半、あきらかに主人公たちに気合い負けしてるし……俺はもっと、テッド・バンティみたいな本物の殺人鬼が観たかったぜ。

とはいえ、ここに出てくるお化け屋敷の造形自体は、凝りに凝ってて楽しそう。寸劇あり謎解きあり分かれ道あり……俺だったら確実にトリップアドバイザーで5点つけてる自信がある。

こんなに凝ったお化け屋敷を、殺人鬼たちが手作りしてる姿を想像して「みんな、いいやつだなー」って、胸が熱くなった。本気で人を楽しませる努力をしてるとこは、いいよね!

なのでこの点数は、こんなに精魂込めて作ったお化け屋敷を主人公たちに滅茶苦茶にされてしまった殺人鬼たちへの同情票で★5ということにさせてください。

ちなみに、俺自身の体験で言うと、これまで最悪のお化け屋敷は、LAにあった期間限定のヤツ。

中に入ったら、真っ暗闇な通路を進まされるんだけど、壁に電気が通っていて、手探りで進もうとすると、壁に手が当たった瞬間「ビリビリビリーっ」って体に電気ショックが与えられる。

……ってゆーか、お前それ、お化け屋敷じゃなくて、リアル・イライラ棒だよね!?
むらむら

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