Apple TV+の無料期間有効活用。
こういう、”さり気ない日常の中に、キツめの現実をブチ込んでくる”系映画は好き。
ただハッピーエンドの着地といい、妙に軽いノリが、心地良いような、物足りないような、なんとも言えない感じ。
母親であると同時に、娘であり、妻であり、女であるはずの主人公が、しかし母親としての人生に忙殺されて時間を奪われている様はリアル。床に散らかった衣服やおもちゃを拾い上げて歩くシーンが何回かあったけど、すごく象徴的だった。
そんな母親たちに、女らしくあれ、セクシーでいろなんて男の傲慢なんだよね。男は外で、子どもが生まれる前と大して変わらない人生を生きているんだから、夫婦の世界が離れていくのは必然。
しかもこの女性は、仕事をしているんだよ!それでも子どもの面倒も家事もほとんどを彼女が担っていて、夫は仕事で全国を飛び回って家を空けがち。まあ家庭それぞれ事情があるとは言えね。
そういう男のダメな考えを、夫ではなく父親に語らせるというのが、面白いね。
その意味で、このハッピーエンドはファンタジーだし、実際には”お察しのとおり、やってしまいました”のパターンの方が多いんだろうと思う。