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グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇のRyuのレビュー・感想・評価

3.6
終戦直後の激動の時代の日本。文芸雑誌編集長の田島周二はたくさんの愛人を抱えていたが、真っ当に生きていこう と愛人たちと別れることを決意する。優柔不断で別れを切り出す自信がない田島は知り合いの、美人だが、大食いで乱暴者の担ぎ屋 永井キヌ子に金で妻役を演じてくれ と頼み込む。

太宰治の未完の作品「グッド・バイ」を劇作家のケリラーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で解釈し、舞台化したものを映画化した作品。
大泉洋と小池栄子の演技が素晴らしくて、映画としてはちょっとコントっぽい印象なんですが、演者たちの好演があってか、全然見てられますし、普通に笑っちゃう場面もありました。
主人公はやってる事はドクズなんですが、これをなんか憎めないキャラクターにしてしまうんだから大泉洋はさすがですね。情けない役がめちゃくちゃ似合います。
ヒロインの小池栄子もさすがの演技ですね。しゃがれ声もこれまたイイ。もはや大泉洋までをも食ってしまうほどでした。色気よりも男気に全振りしてるけど、愛情もあるキャラクターも非常に魅力的です。
ストーリー展開は序盤は愛人たちのところを回っていき、ドタバタ劇が繰り広げられる といった感じです。そして少しづつ2人の距離が近づいていって…かと思ったら、終盤で展開にはちょっとビックリしちゃいました。これくらい突拍子もない展開も楽しいコメディには合いますね。
昭和の雰囲気は世界観だけでしたが、このレトロ感が個人的に好きですね。
ストーリー展開はそこまで真新しさとかはないですが、演者たちの好演が功を奏して、力を抜いて、安心して観れる、おもしろおかしいコメディに仕上がっていたと思いました。
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