トム、素晴らしいアクション映画をありがとう！この人にどれほど映画界は救われているのだろう。CG全盛のなか、身体を張り、顔を歪め、リアルなアクションに拘る。それでしか表現出来ない映画、それがミッションインポッシブル。本作は、アクション映画の古典へのオマージュが詰まっていて、映画の楽しさを無茶苦茶ハイレベルで見せてくれる。ド派手な演出では無く、様々なシチュエーションで、制限をかける事で、アクションをドラマに昇華している。
しかし、ローマのフィアットは笑ってしまった。もう、リアルカリオストロの城かと思うようなカーアクション。最高です。ローマ、ベネツィア、砂漠、オリエンタル急行、あーなんと映画的な舞台装置。
本作、イーサンともう一人の主役、グレースの造形がイイ。彼女自身がマクガフィンになり、ストーリーに変化を与える。また、ビィラン役のポム・プレメンティフが良かった〜。彼女のカーチェイス、路地アクションの表情は、サイコ感出ていて秀逸。その2人に対峙するトムの必死な表情が良い。イーサンは決して超人ではない。常に悩み、その時々で仲間を信じ、知恵と機転と身体能力で危機を乗り越える。本作はソコがドラマの中で、とても丁寧に描かれていた。本作のアクションクライマックス、崖からのバイクジャンプを決断する前の逡巡、人間くさいその過程から、ドラマのスピードを殺さず、予告で何回観たかのあのシークエンス。何回観てもカッコイイ。コレだけで、映画史に刻まれる価値がある。
アクション映画は、役者の身体性がドラマのリアリティに繋がる。それを最も体現した、スター、トムクルーズ。このシリーズを創り続けているコトに感謝。
あー、早くPart2が観たい！
