今一歩ジャケに唆られず後回しにしてた。
いや~素晴らしかった!重厚な法廷ものであり、れっきとした戦争映画でもあった。
冒頭、サスペンスフルな展開から一気に引き込まれる。まさか最終的にこんなに心を揺さぶられるなんて思いもしなかった。
そして何より“ドレーアー法“について勉強になった。
ナチスの犯罪に関する時効問題を扱ったフェルディナント・フォン・シーラッハの同名ベストセラーの映画化。原作出版により法の抜け穴を炙り出されたドイツ法務省が法改正の為に動いたと言うからより一層意義深い作品だった。
法律は何の為、そして誰の為にあるのか、正義が正義である為に必要な事はやはりそれぞれの心の中にある。だからこそ常に問いかけ間違いを認める勇気が必要なのだと思う。
劇中に登場する通り“死者は復讐を望まない”。決して殺人が復讐手段であってはならないけれど、ならばどうすれば良いのか…
過去を過去として忘れ去ってはならない。けれど今を生きる者への救いともなる印象的な台詞“君は君だ” が、なんとも重く尊く突き刺ささった。