ウツボ

遮那王 お江戸のキャンディー3のウツボのレビュー・感想・評価

4.0
好きな時代の物語を素敵な俳優さんでもって耽美に撮るんですか!わ〜〜いって気持ちで観に行きました。


主人公は遮那王(と弁慶)といった感じなんですが、彼らを含め出てくる人物みんなが愛を求めているのになかなか手に出来なくて、そのせいで苦しんだり歪んだりしていて、ア〜こういうもどかしさ切なさ大好きだな〜ってなりました。

メインビジュアルからも分かる通り源氏平氏共にみな美しい姿をしていて目に優しいな〜となったんですが、観てみると美術だけじゃなくキャラクター性までも丁寧に作られていて、「え!この子のこともっと知りたい!」と素直に思わせられるくらいしっかりキャラ立ちしてて短い時間の間でしっかり内面まで描写できていたなあと思いましたね。
前後編でも良かったな〜欲を言えばドラマでほしいな〜!と思っちゃうくらい。
中でも重衡のストーリーが観てみたいですね……。
どこかでいっぱい描写されてほしいな遮那王に出てくるみんなの心の奥底……(希望)

中でも一番好きだったのは頼朝〜ですね。
頼朝のイメージ像というのが自分の中でちゃんとあるタイプ(?)なんですが、遮那王の頼朝はそのイメージと外見内面共に解釈がバッチリ合致していてエ〜〜観たかったこれ観たかった!観れて良かった!って歓喜しちゃいました。
作中の彼の歪み方がなかなかドぎつくて(作中一大変だと思う)、怖いよ〜ってなるくらいでしたがこれがまたイイというか……。
監督の作品は初めてなんですがこのキャラの造形や美しい俳優の魅せ方、大好きですね……。

あと好きな俳優でいえば、あ、財木くんいる!と嬉しくなったんですが、お政の悔しさ切なさをしっかりと演じられていてすごくいいな……とめっちゃ嬉しくなりました。
名キャスティングだ……。

この作品、個人的には概ね良しなんですけど、間がちょっと長すぎるとか場面転換でBGMがすぐに途切れるのちょっとシュールだとなってしまうなどその辺りは気にはなりますね。

でも観終わったあとずっとこの耽美な時空もっと観ていたいしもっと知りたいなあ〜この世界観で色々欲しくなっちゃうな〜ってなりっぱなしなので、あー作品のことが好きになれたなと実感しますね。
ビジュアルとあらすじだけでビビッと来た人間ならきっと好きですよ。
ウツボ

ウツボ