恭介

ジャンゴ 繋がれざる者の恭介のレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
4.2
タラちゃんにすれば珍しく時系列を
いじらずストレートにストーリーが
進行する西部劇。

相変わらず自分の好きな要素や
好きな映画、俳優さんをブッ込んで
一見、闇鍋のような話に見せかけて
きっちりコース料理のように
まとめてみせる脚本の手腕はさすが。

歴史的事実や時代考証なんかは
御構い無しで、やりたいようにやって
有無を言わせぬ力技で観る者を
圧倒する作品が多いが

毎回、放送禁止用語や差別用語などの
NGワード連発で今も昔も
これが日常的な人間性だよね?みたいな
感じで、人の本質的な部分はリアルで
妥協しないところは一貫して
変わらない。

それがタランティーノ映画という
ひとつのジャンルを構築している
重要な要素となっている。

また、ジェイミーフォックスをはじめ
ディカプリオ、クリストフ、ジャクソンなどのベテラン俳優さんでも、彼に
かかると今まで以上に演技の幅を
広げているように思えてくる。

ディカプリオなんて一皮向けたように
イキイキと演技している印象すら
漂っている。

キャンディという甘い役の
名前の通り、キュートな笑顔を
魅せたかと思うと、残虐非道な行いを
平気でする二面性を上手く体現して
いるのはさすが。

そんな役者さん達の見事な演技を
引き出し、自らのタランティーノ
ワールドに引き込む監督としての
手腕と、会話とバイオレンスな
見せ場で観る者を引き込む脚本力。

正に唯一無二の天性がなせる技だろう。

毎度お馴染みの無駄な会話がないなぁ
と思わせておいての、KKK団が
ジェイミー達を襲撃する前に交わす
白頭巾を被る被らないの議論。

しかも、わざわざ時系列を弄ってまで
シーンにブッ込んでくるあの
不必要さ(笑)

このタランティーノ節がクセになる。

イングロリアスでブラピと組み
本作でディカプリオ。
そしてハリウッドで2人の共演を
実現させたのも、確実にタランティーノ
作品だから出来た夢の共演だ。

監督は10本で辞めるって話は
どうなったんだろ?

せめて一度、どうにかトム様と組んで
その後にブラピとディカプリオと
トム様の3人を共演させてから
終わりにしないかなー(笑)

この3人を同じスクリーンに
引っ張り出せるのはタランティーノしか
いない気がする。
ま、夢のまた夢だけど(笑)

お願いしまーすっ!
恭介

恭介