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友引忌(ともびき)の消費者のネタバレレビュー・内容・結末

友引忌(ともびき)(2000年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

アメリカから韓国へ帰国した女性、ソネ
彼女は大学時代のサークル仲間で幼馴染でもあるへジンの家を訪れ彼女も快く迎え入れた
そしてソネは何かに怯えた様子である事を打ち明ける
自殺したはずのサークルメンバー、ギョンアに狙われ逃げる為に帰国したのだ、と
やがてサークルの面々は次々に不審死を遂げていく…
というあらすじの心霊ホラー

怨霊と化した友人によって主人公達の命が奪われていく、という物語はありがちだし事の背景やメインキャスト達の人間関係などあまりに色んな事を詰め込み過ぎていて重要なはずなのに投げっぱなしで特に真相が明かされない物もある上に展開が二転三転し過ぎていてお世辞にも良く出来た作品とは言い難い作品だった

ただの大学時代の仲間、というシンプルな設定で描いた方が分かりやすく怖い話に出来たんじゃないかと思うのだが
・ギョンアはソネとへジンが幼少期を過ごした村で悪霊に憑かれているとして迫害やイジメを受けており村の悲劇は全て彼女のせいにされていた
・ギョンアはへジンの父が亡くなるまでは唯一へジンが優しくしてくれた、という理由からウンジュと名を変えへジンと同じ大学に進学し、サークルにも加入したがソネが正体に勘付きへジンに明かしてしまった事から彼女に拒絶されてしまった
という2つの事実が軸となっていて村での事に関しては先程触れた様に真相が明かされないまま終わってしまう為、無駄に話を複雑化させてしまっている

更にサークルの面々を襲うのはギョンアだけかと思いきや大学卒業後、敏腕弁護士となっていた先輩と女優として活躍している女性メンバー、ミリョンの不倫の様子が収められたビデオテープの存在が後半に出て来てからは証拠隠滅の為に先輩がソネとへジンを殺める方に話の軸が移ってしまい話がブレていく

他にもカメラや絵を生業とするメンバー、セフンが一同の乗っていた車が轢いてしまった猫の死骸を撮影しようとする、という場面があるのだが特に彼の狂気性が物語に絡む事が無かった点なども気になった

そして終盤、ギョンアの死は実は自殺による物ではなくサークルの集まりの中で揉み合いになって2階から落下したというサークルメンバーの過失致死が原因であり自殺とされていたのはその事実を揉み消すべく成された隠蔽工作だった事も明らかになるのだがそれならば伏線をちゃんと張って欲しかったな、と…

以上の様に粗がかなり目立つのだが良かった点もある
「リング」シリーズを思わせる様なJホラーの作風を踏襲している映像世界や一部の恐怖描写だ
特に冒頭の通り過ぎる電車の残像の中に見える人の影、という霊の描き方
セフンが殺される場面でのギョンアに目をくり抜かれ先輩に助けを求めようと駆け込んだ公衆電話に閉じ込められた末にガラスに頭を強打させられ、死亡した後に上部に残っていたガラスが落下し首ちょんぱされてしまうというゴア描写
この2つは魅力的だし良く練られた物だったと感じる

あと単純にギョンアを演じた女優が凄くホラー映えする美人だったのは良かった
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