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雨月物語のmireiのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.2
雨月物語 (1953) 溝口健二監督


先日、羅生門展に行ってきました。
三船敏郎生誕100年企画だそうです、とても貴重な資料を見る事が出来て幸せでした。

今月末迄でしょうか、京橋近くの国立映画アーカイブで行っています。来月は原節子生誕100年企画ですって。
行くしかないですね♡

まったく投稿をしていなかった為、お詫びも兼ねて...
本日から3日間「田中絹代祭り」を行いたいと思います。
(ごめんなさい私情が忙しく1週間ほど頂くことにします。)

まずは「雨月物語」

夜中に観るのには少々怖すぎる作品なのかしらと、恐る恐る観賞。特にホラー色は強くなかったです。怖いの苦手な方でも全然楽しめます〇

時代劇、恐らく時代は戦国時代あたりでしょうか。
(信長の名前が出てきましたが、過去形だったので室町時代に入るちょっと前あたり...?)

京マチ子祭りだった?と思わせるほどの京マチ子の熱演ぶり。この世のものでは無いなにかを演じる彼女の魅惑的な表情や振る舞い、声。芝居のディテールが凄い。

男は妻の為にと、出世をしようとするが...それは本当に妻の為なのだろうか。ふつふつと心の中で湧いていた利己的欲望に飲み込まれたのではなかろうか、その時正気は保てているのだろうか。

さて、妻は一体どのような暮らしをするのだろう。
欲望というよりも、生きていくために何をするべきかだけに囚われている彼女達。
体を売るか、やれる仕事をこなすか。

一瞬の欲望に呑まれた男は、一つ一つ踏み外さぬようにと生きている女の元へ結局は帰る。

ところで、その目の前にいる女は幻か、現か。

完成度の高い時代劇でした。
作中に何度も流れてくる和楽の世界に酔いしれました。
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