うえびん

夏時間のうえびんのレビュー・感想・評価

夏時間(2019年製作の映画)
4.2
家族の風景

2021年 韓国作品

キム・ボラ監督『はちどり』に似た作風
こっちの方がいい

子役の二人がいい
山本高広似のお父さんがいい
無口なおじいさんがいい

親子3代
顔つきが似ているからリアリティがある
息子と父、父と祖父
昼寝のエピソードが微笑ましい

おじいさんの家
扇風機、ミシン、ミニコンポ…
旧いものを大事にしているのがいい

家庭菜園
こまめに手入れされているのがいい

家族の食卓
食べる場面で展開が切り替わるのがいい

韓国映画によくある
激しい感情のぶつけ合いがなくていい

何よりも主人公オクジュを演じる
チェ・ジョンウンの演技がいい

抑え気味の演技が
作中唯一の感情表出場面に効いている

思春期の子どもと家族の一夏の風景
シチュエーションは
『歩いても、歩いても』(是枝裕和監督)
にも似ている

あちらは“家族になる”過程が
こちらは“大人になる”過程が
描かれている

どちらも、子どもの感性のみずみずしさが感じられ、大人が子どもだったころを懐かしく思い返しながら、再体験できるのがいい
うえびん

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