あまのうずめ

戦争と女の顔のあまのうずめのレビュー・感想・評価

戦争と女の顔(2019年製作の映画)
3.7
対独戦争終戦後の秋のレニングラード。イーヤは対空砲射撃手として戦場にいたが負傷し送還され軍病院で看護師として働き幼いパーシュカを育てている。イーヤは後遺症で意識が飛び動作が止まる発作があり、ある時パーシュカと遊んでいる時に発作が起こり彼を死なせてしまう。恋人でパーシュカの母親マーシャが帰還する。


▶︎やるせない、やり切れないの最上級の気持ちに襲われた。イーヤとマーシャの捻れた関係、女性としての弱い部分、計算高い部分も描かれていて、それが戦争に起因するものなのは想像に難くない。

パーシュカが亡くなった時の二人の感情の平坦さ、切り替え方が悲しかった。マーシャは利己的な上から目線には最早同情するレベルで、同性愛であるが故産めないことに空虚さを感じ悩むイーヤの姿に棘が刺さる思い。

黄色い皮膜が掛かっている様な画像とハッとする緑や赤の色使いが印象的で、演技下手な主役二人にキャラクターがマッチしてた。

ロシア映画と言うので全く期待していなかったが、思わず良い作品を観れた。