ベべべっち

聖なる犯罪者のベべべっちのレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
4.1
何を持って聖人か…

『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した時にノミネートされていた実話に基づくポーランド産ムービー。
原題の直訳は『キリストの体』らしい。

あまり観たことない面白いテーマの作品で、宗教的な部分も相まって捉え方や感想をまとめるのが難しい。

少年院から仮釈放された青年。
ふと立ち寄った小さな村の教会で新任の司祭と勘違いされ、そのまま司祭の代行をすることに。
村人にバレずに難なく司祭の務めを果たしていく青年。
その中で、村で起こった悲惨な事件の存在を知った青年が、何とか問題を解決しようと奮闘する姿が描かれる。

最初の設定から面白い。(そもそもほぼ実話らしいけど…。)
前科者は神職者にはなれないのに、神父を夢見る青年がまさかの司祭に。
一瞬でバレるとかじゃなくて、まさかの受け入れられる青年。

そこだけを切り取って見ると、人々の救いとなっているのならそれで十分なんじゃないかと思ってしまう。
過ちを犯してしまった過去があったとしても…。
神学の世界はわからないので簡単には言えないけど。

前科者とは思えない主人公の青年が新任司祭として頑張る中盤も面白いし、そこから予想しづらいクライマックスの展開と、インパクトが強すぎる終わり方まで見応えがある。

レビューするのはかなり難しい類の作品だけど、最近観た映画の中ではかなり独特な雰囲気のドラマで演出も含めてかなり印象に残った。