blacknessfall

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇のblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.0
自然豊かな森の中の農場で家族(妻、長男、長女、次男)と幸せに暮らすケイジ。
そんな幸せな日々が庭に隕石が落下したことで一変する。不気味な怪奇現象が次々に起こりケイジ一家を恐怖に突き落とす。

庭に変な色の植物が生え、また変な色の虫が飛び回る。
家の中では蛍光灯が点滅、テレビに不可解な映像が流れ、スマホ、パソコンの通信障害が。
ジワジワと地味な恐怖が積み上がり、放牧してるアルパカ🦙がクリーチャー化、そして愛しの妻がエクソシストのリーガン状態になる大仕掛けの恐怖のつるべ打ち!
ホラーとしてのマナーがいい。構造がしっかりしてる。

ビジュアルもかなり頑張ってる。
原作の地球上にはない色彩は流石に表現しきれないが不穏でサイケデリアなピンクみを帯びたパープルで統一して地球外色を出してる。
リーガン化した奥さんのグロく爛れた肌やクリーチャー化したアルパカ🦙のルック、クローネンバーグ監督の『ブルード 怒りのメタファー』的なネチグチョ感と『遊星からの物体X』のような異常に変化したフォルム、ホラー好きを納得させるレベルの高いビジュアル・エフェクトに昨今のケイジ映画とは思えないクオリティに大満足だよ。ラヴクラフトの原作から舞台を現代に変更したけど、原作の世界観とイメージに忠実なイメージ作風も高評価だよ。

そしてこれはホラー映画である前に"ケイジ映画"なんだよ。我々ケイジ者に取っては。だから、その視点での言及を怠るわけにはいかない😏

ラヴクラフトが原作の映画にケイジと聞いてときめいた。胸がトゥンクとなったよ笑オールドスクールなサブカル者だからラヴクラフト好きでこれも読んでる。
ケイジとラヴクラフトは前から相性いいと思ってた。ラヴクラフトは恐怖描写やセリフ回しがやたらと大袈裟で無駄に力入ってることが多いから。ケイジの演技にピッタリなんじゃないかと笑

予想どおりだった。
上述したような隕石と共にやって来た"宇宙からの色"がもたらす数々の怪奇に翻弄され、顔圧を強め恐れおののき、苛立ち怒り狂い、絶望して泣き叫ぶ。
"ケイジ者"達が求めるケイジで埋め尽くされてる笑

一番笑ったのは、畑で育てたトマト🍅が隕石の影響で不味くなってしまい、ブチキレるシーン。
トマト🍅を1口囓っては吐き捨て絶叫しながら悪態をつきダストボックスにトマトを投げ入れる。
「本のとおりやったのに何でまずい💢」「クソまずい💢」「何でこんな味なんだ❗️❓️」最後に言うことなくなって「スラムダンク❗️」と叫んで叩きつける🍅😂
トマト🍅の不味さにこんなにファニーキレる演技ができるのはケイジしかいないよ🤣

ハイテンションで大袈裟で投げやりな勢いとクドイ表情の波状攻撃に心地好くノックアウトされること必須❗️(まあ、貴方や貴方がおれのようにケイジ崇拝者〖cage whipper〗の場合に限るけど笑)

ホラー映画としてもケイジ映画としても良作だよ。
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