YasujiOshiba

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

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ネトフリ。おもしろかった。冒頭の森の映像から引き込まれる。そして魔術のシーンで目を引くのがマデリーン・アーサー。若く美しく反公的で病んでいるけれど愛にあふれるラヴィニア。これは彼女の映画だな。

もちろんニコラス・ケイジは存在感抜群。温厚そうなところから変身するから、『シャイニング』のニコルスンよりもずっと怖い。「宇宙からのカラー」によって変態するクリーチャーの造形がおぞましくてよい。カーペンターズの『遊星からの物体X』なんかを思い出す。けれども融解合体のコンセプトは、ぼくにとっては永井豪の『デビルマン』かな。

けれども、原作となったハワード・フィリップス・ラヴクラフトの同名短編はもっと古く1929年だという。劇中にはきっちりラブクラフトが創造した架空の書物『ネクロノミコン』の書影も見られるのだけど、この秘法の書も歯が立たない存在が宇宙からやってくるという設定。

ジェットコースターものにせず、じっくりと人物を描写するところに好感。落ち着いたSFホラーに仕上がったんじゃないかな。調べてみるとすでに何度か映画化されているんだね。昔のものも見たくなった。さしあたりYouTube にアップされているのが『Die, Monster, Die!』(邦題「襲い狂う呪い 」: https://www.youtube.com/watch?v=D6Z7Yimf5ek )。

おっと、コミック化もされているね。『異世界の色彩 ラヴクラフト傑作集』 (ビームコミックス) 。https://www.amazon.co.jp/dp/4047308048/ref=cm_sw_r_tw_dp_QQ6SQ949SCY88JZRJ2YE?_encoding=UTF8&psc=1

なんだかラブクラフトのほうが気になってきたな。カーペンターの『ハウス・オブ・マッドネス』もこの作家に触発されてるしね。
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