空海花

エスケープ ナチスからの逃亡の空海花のレビュー・感想・評価

3.0
アカデミー賞発表の最中
時間空いたので急遽駆け込み。

第二次大戦ドイツ占領下のノルウェー、雪山が舞台。
ノルウェーにもユダヤ人の迫害の手が迫り、14歳の少女エスターは両親を殺されて何とか逃げ延びるが、匿われたのはドイツに協力的な農場の家族だった。

エスターは髪を切り、男装し身分を偽る。
アメリカで女優になりたかった彼女は演技で生き延びる覚悟を決める。

農場家族の長男は生まれつき脚が悪く
父親はそれをよく思っていない。
ナチスの思想がちらつく。

覚悟を決めても、
男として生きること
ユダヤ人であることを偽って生きること
様々な葛藤が彼女を苦しめる。

家族はそれぞれ彼女に心を許す。
息子と母親は本当の彼女に
父親だけは演じている彼女に。

エスター役の女優さんが美人なので
大変な美男子に。

これは悲しく辛い物語。
彼女が来たことだけが原因ではなく
やはり占領下にあることと
結果ドイツは敗戦するので
肩入れしていた家族はどちらにせよ安住できそうにない。
母は息子を愛しているが
父は息子の愛を邪険にする。
父親の心の闇は結局不明だった。時代の権威主義の籠に絡め取られているのか。
もう少し丁寧な何かがほしい。

息子のアクセルが激しく切ない。
時折入る夢の映像が悲しい。

最後だけほんの少し火が灯るような
悲しく辛い物語。
この時代は自分の中でやはりこういうイメージが根強いのだなと思った。


2020劇場鑑賞27本目


本日はキネマ旬報表彰式上映会に行ってきました。
アカデミー賞の次の日。
合言葉はアカデミー賞より1回多い(笑)

映画人の方々の生のコメントに感激。

上映会レビューは次回から…
空海花

空海花