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ようこそ映画音響の世界へのTSのレビュー・感想・評価

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)
4.0
【映像と同じくらい重要な音響】84点
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監督:ミッジ・コスティン
製作国:アメリカ
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:94分
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 これは是非とも映画館で見たかった映画だったのですが叶わず。早速借りて鑑賞しました。幸いにもマイシアタールーム効果でそれなりに迫力はありましたが、やはり映画館で見るべき作品と思いました。タイトル通り、映画音響の世界を19世紀末から現代まで辿っていくドキュメンタリー。映画は映像も大事ですが、それと同じくらい音も大事だということがわかってきます。

 あらゆる名作の音響を例に出してきているので、今までどれくらいの名作に出会ってきたかで今作の印象は変わります。今作を楽しむのなら、スターウォーズ、地獄の黙示録、ゴッドファーザーあたりは必ず見ておいた方が良いかもしれません。これ程音にこだわっていたのかということを今回初めて知りました。特にスターウォーズは音響世界の劇的なターニングポイントだったようです。

 音は声、効果音、音楽の三種類に大分化され、それぞれ重要な役割をになっています。音楽を聴かせるというのは誰もがすぐ理解できそうですが、効果音によって映画の印象を変えるのには驚きました。そして何気ない効果音を出すにも裏側の努力があるというのも良いですね。例えば水浸しの部屋で男二人が取っ組み合いをしているシーンの効果音は、ずぶ濡れの衣類を水につけてパチャパチャしてるのを録音してるものだったり、トップガンのあの臨場感ある戦闘機の音は、本物の戦闘機の音では逆に迫力がないので動物たちの咆哮などを録音して使用していたそうな。

 我々は何気なくそのままそこの音をマイクで拾ってると思いがちですが、そんな単純なことでは臨場感ある音は拾えないのだということがよくわかりました。話はそれますが、やはりこれだけ音を重視している映画は、映画館で上映されるべき代物です。なので、サブスクでほとんどが賄えてしまう今のこのご時世は、便利なのですが不安というものでもあります。確かに僕も最近サブスクで見てしまう癖がついてるので何とも言えませんが。。
 ラストの色んな映画のダイジェストシーンは感慨深いですし、映画鑑賞を趣味にしていて良かったなと思える瞬間です。是非ともご覧ください。あと、『すばらしき映画音楽たち』も合わせて見るとより良いかもしれません。
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