みかぽん

この世界に残されてのみかぽんのレビュー・感想・評価

この世界に残されて(2019年製作の映画)
4.2
第二次世界大戦下のハンガリーは、ナチスの枢軸国として本国のユダヤ人(=本作の主人公たち)を収容所に送り、ソ連に対し宣戦布告を行っているので、隣国のポーランドやチェコとはそもそもの立ち位置が違うと言うか、なので勿論、日本はユダヤ人への迫害はないとしても、国の状況はかつての我々寄りなのかも知れません。
そして敗戦後、彼らは戦勝国ソ連の占領を受け、社会主義の道を歩むことになり。。

かつて白洲次郎は〝我々は戦争に負けたが奴隷になった訳ではない〟と啖呵を切り、GHQは〝従順ならざる唯一の日本人〟と彼をそう揶揄したそうですが、ソ連の支配を受けた敗戦国(とその属国)を扱う映画を観るたびに、日本の占領がアメリカでなんぼもマシと思うわけです😞。

話が逸れてすみません💦
本作、鑑賞前はナボコフの「ロリータ」あるいは谷崎の「痴人の愛」系のお話?と若干の斜め目線だったのですが(深くお詫び💧だってそれらと全く違う展開で…。てか別に前述作品が嫌いって訳じゃないんですけどね)とりわけアルド目線でストーリーを追うともう私、切な過ぎて死にます病を発症し、最後は絶命です。マジで🥲🥲。、

ソ連の支配が強まる中で、アルドが下した決断。それは決して自分のためでなく、彼女を再び置き去りにしないための手段だった。のに、その3年後には独裁者スターリンがあっけなく亡くなり、監視→密告→連行の連鎖が明ける兆しが思いの外、早く訪れた事を知り。それに放心して席を立ったアルドを心配し、彼を追ったクララが「なんだ仮病?心配したのに」と笑うシーン😯。これにアルドは「そう、僕はいつも嘘つきだからさ」って返すんですよ。
彼女はそれをふふっと受け流し、お祝いの席に戻ります。勿論、アルドの言葉の真意など知る由もなく。
でもねアルドさん、私はあなたの気持ちを受け留めましたよ…。そしてあなたは再びこの世界に〝残されて〟しまったのよね😭。

未見の方には何のこっちゃ?なレビューと思いますが(詫)本作をぜひご覧になり、アルドの真意を読み解いて頂けたらと思います😭😭😭。
みかぽん

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