このレビューはネタバレを含みます
私は人を殺してしまうほどの怒りを経験した事がありません。そんな感情を知らなくても暮らしていける世界で生きてきたからです。
私は殺人という罪を犯し、人生の大半を刑務所過ごした主人公を理解することはできません。でも、生まれ育った環境次第では誰もが三上（主人公）と 同じような人生を送る可能性があることは知っています。広い一つ空の下ではあるけれど、皆それぞれの世界で生きているのだと思います。否応なし に。
差別や偏見もあって、罪を犯してしまった人にとって世間は生きづらい場所かもしれません。映画は悲しい結末でしたが、更生への手助けをしてくれる 優しい人々の存在に救われた思いがしました。素晴らしき世界はそんな温かい人たちが支えてくれているのだと思います。
映画とは関係ないけれど、私の父はやくざからも一目置かれた侠客（酔った時の本人談）でした。口も達者でしたが手が出るのも早く、私が間違った事をすると、 秒の速さであまり痛くないパンチが繰り出されました。が、父が大人の男性と喧嘩しているところを見た記憶はありません。内弁慶、それか口だけ番長だったのでしょうか？
