このレビューはネタバレを含みます
阿部寛さんが出演している映画は、欠かさず観ようと思っている。阿部さんとは年齢が近いので、自分の人生と重ね合わせてみたり、感情移入がしやすいので、観ていて楽しい。
作中で音楽隊が警察組織の「お荷物」的な部署として描かれていたけれど、実際はどうなのだろう？隊員の中には音大出身の奏者もいたし、仕事として音楽活動が出来るなんて夢のような職場と思うのだか…。でも、刑事として第一線で活躍していた主人公にとっては、左遷されたとの思いが強かったのだろう。
私も主人公と同じで、口癖みたいに「昔は良かった」とか、「昔はモテた(かなり盛っている)」とか言うらしいのだが、その度に若い友人から「そんな話は要らん！」と怒られる。
この映画は、後ろを振り向きながら生きて来た主人公が、前を向いて新しい道を歩き始める物語。私にとっては、人生の応援歌だった。
とてもいい映画だと思うが、残念なシーンが幾つかあった。楽器の扱いが雑(トランペットを譜面台に当てる、祭りの太鼓を窓からぶん投げる等)過ぎるのだ。音楽好きな私はとても残念だった。太鼓をぶん投げる音楽隊員、バットを投げたり折ったりする野球選手、ラケットを叩きつけるテニス選手…道具を大事にしない人は尊敬できない。
