たなしょ

プラットフォームのたなしょのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.8
この映画はイバン・マサゲさん主演のワンシチュエーションスリラー映画。

主人公が起きるとそこは真ん中に穴が空いた一室。向かいにはルームメイトが寝ており主人公がいる建物、'穴'のシステムなどを知る。主人公がいるのは48階層。上の階から順に食料が降りて来る。1ヶ月ごとに階層は変わり、食料を置いていくと温度による罰がある。1人一アイテム何でも持ち込むことが出来、主人公はドン・キホーテの小説を、ルームメイトはサムライマックスなるナイフを持ち込んでいた。

ある日、上から1人の女性が食料と共に降りてきた。名はミハル。子供を探して降りていっているらしい。協力しようと手を差しのばそうとするが断念。
時は過ぎ1ヶ月が経った。目が覚めると自らはベッドに縛り付けられており階を見ると171。171までに食料が残らないからとルームメイトは主人公を食料にしようとしているため縛り付けていたのだ。8日は手を付けないとし、8日が過ぎた日、ルームメイトは主人公の肉を剥ぎ食べようとした。その時、食料と共に降りてきたミハルに助けられ主人公はルームメイトを殺害。最初は怖気付いたもののその死体を食料に1ヶ月凌いだ。最終日が近づきまた階が変わる..

これは'穴'と呼ばれる縦構造の建物の中に閉じ込められた主人公が、変わるルームメイトに翻弄されながらも脱出しようと奮闘するお話。

この作品、生半可な気持ちで見るのをオススメしません。結構心に来ます。上の階の人は食べれて、下の階の人は残飯、或いは何も食料がないという超縦社会の為人はなんて愚かで自分勝手な生き物なんだろうと感じてしまう。後半のシーンに主人公が食料の台と共に降りていくシーンがあるのですが、その階層に人がいない(=死亡或いは殺害)ため止まらないという、あまりに不条理で心苦しいシーンもあります。

又、少しグロさもあります。人肉を食すシーン、人を殺害するシーンなど思わず目を逸らしたくなるようなシーンもあるので耐性が弱い方は少し注意しながら見ることをオススメします。

上に上がるためには何をすれば良くて、何をすると下がるのかも分からないこの建物。ただ階層0には管理人や一流のシェフたちがおり、'穴'の住人との対比だけは物凄い伝わります。又、現実社会の貧富の差というのを視覚化しているようにも思えます。

とてもモヤモヤする感じの終わり方。その後が気になる!って絶対なります笑
子供はいないはずなのに何故か最下層に子供が。その子供がラストまで関係してきます。

この作品、キリスト教の聖書やドン・キホーテについて少し理解していないと作品をより深めることは出来ないと思います。なので日本人にとって馴染み深いものではないので多数の方は意味が全く分からないと思います。
私も全く分かりませんでした。鑑賞後にそのシーンや数字の意味を調べた方も多いのではと思います。所々にヒントがあり、全て繋がってたんですねぇ.. これは難しい。

最後に、ルームメイトが持ち込んでいたサムライマックス..CM気になったなぁ笑

ワンシチュエーションスリラーなどがお好きな方、内容が重く現実社会に訴えかけるような作品が好きな方や宗教について理解を深めたい方にオススメな作品となっております!
たなしょ

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