失恋前提の映画。破局というより、違う道に進む意味での別れを迎えるまでの物語だ。そこが面白い。
サブカル趣味や考え方が一致して付き合い、同棲する二人が、どうすれ違っていくのか。セリフ中心に構成された機微がリアルだ。
そして、これがオリジナル作品だということが偉い。
恋愛ものといえば、漫画原作や小説の映画化が多いなかでのオリジナル勝負だ。
これは「恋をした」映画だが、ずっと添い続けていくと『男はつらいよ』または山田洋次監督の『家族はつらいよ』の夫婦になるのだろう。
それもまた、リアルなのだ、と観ながら考えた。
生活とか責任というフレーズについても。